管理通貨制は、現代人が生み出した一種の錬金術である。1枚刷り上がるのにたかだか20円くらいしかかからない紙切れも、1万円の価値を有するものとして立派に通用する。だが、本来紙幣というものは、金や銀などの貴金属との交換券に過ぎなかった。つまり、交換対象としての財貨によってのみ、紙幣はその価値を保証されていたわけだ。