際限なく進む厚生年金の目的外使用

政府が国会に提出した年金制度改革法案について、自民党は23日、立憲民主党の要求に応じ、厚生年金の積立金を利用して「基礎年金」の給付を底上げする措置を盛り込むことを決めました。
目次
今回の年金制度改革法案とはどういうものですか
当初政府案の主な内容は3つ。一つ目は、厚生年金の積立金を利用して、「基礎年金」の給付水準を3割底上げ。二つ目は、賞与除く年収798万円以上を対象とする高所得者の厚生年金保険料を段階的に引き上げ。三つ目は、パート労働者の厚生年金加入拡大のため、年収106万円以上とする厚生年金の加入要件の撤廃です。
このうち一つ目の「基礎年金」底上げ策は、財源流用との批判が広がったため、自民党の審査段階で削除され、法案は5月16日に閣議決定されました。
法案提出後、立民など野党が、所謂「氷河期世代」の低年金問題が解消されないとして、法案を「餡子のない餡パン」と批判し、「基礎年金」底上げ策を改めて盛り込むよう求めました。これを受けて自民が打ち出した23日の方針は、政府与党が削除した内容を事実上復活させるものです。
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