2019年9月13日

テレワークを実施できる環境はもう整っている

あとは企業の行動力だけ


断言するが、事務職がわざわざ職場に出頭する必要性は何一つない。

この記事は日本経済新聞社のオピニオンページ日経COMEMOへの投稿からの転載です。

災害時の通勤難民が話題になる度に、つくづくそう思う。

事務仕事というものは、基本的にPCが一台あればできるものである。通信網も今や全国津々浦々に張り巡らされているのだから、一箇所に留まって作業しなければならない理由はどこにもないのである。

ウィルスなどのマルウェアが心配であれば、システム部門がセキュリティー対策を施したPCを貸与すればいい。文書をPDFにまとめておき、印刷や複製に制限をかければ、自宅で印刷した社内文書が外部に流出するというようなこともない。データをPC本体にではなく、共有サーバーやクラウドで保存しておくようにすれば共同作業もできるし、万一PCが盗難に遭っても情報の漏洩は防げる。上司の決裁や会議でさえもオンラインで可能だ。

筆者の職場では、共有サーバーから電子承認システムや「Skype」に至るまで、テレワークに必要なものは全て揃っている。なのに、在宅勤務が認められるのは、育児など家庭の事情がある場合に限られている。実に勿体ない話だと思う。

筆者は名古屋市内から郊外の職場へ毎日片道90分から2時間弱かけて通っているが、通勤だけで疲れるというのが正直なところである。交通の便がよくないので乗り換え回数が多いし、夕刻の幹線道路で帰りのバスが大渋滞に巻き込まれることはざらにある。これに加えて更に、派遣社員のため、交通費の負担がのしかかってくるのだ。一日8時間決まった席に座るだけなのに、である。

もしテレワークがもっと普及していれば、どれだけの時間とお金と労力が減らされ、どれだけのリソースが有効に活用されていることか。


この記事は『日経COMEMO』へ2019年9月12日に投稿されたものです。

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