「コミュニティノート」に怒り狂う者たち
甚だ見苦しい光景である。
ソーシャル・メディアの「Twitter」で、「コミュニティノート」なる機能が本格的に始まった。これは、誤解を招くと思われる投稿に閲覧者が註釈を追加できるというものである。学会誌における査読に近い機能ともいえようか。
これにより、「新聞記者」「ジャーナリスト」などを僭称して、普段から不正確な情報を吹聴する者たちが炙り出されているのである。
例えば、霞ヶ関各庁の会見場に押しかけては、自分の主義主張を延々とまくし立てることで有名な、『東京新聞』の望月衣塑子。新聞記者というよりは、講演活動で自説を披瀝する活動家のイメージが強い人物である。『東京新聞』は常習的に真偽の疑わしい記事を発信しており、望月も「Twitter」で言及して風説流布に荷担している。
性的少数者から懸念 マイナ保険証、通称使えず 本名呼ばない配慮が必要
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) July 20, 2023
通称の使用が認められている従来の保険証と違い、マイナカードの表面には原則、戸籍名が記載されるからだ。病院に行ったら、本名で呼ばれてしまう―。そうした不安に配慮した対応が求められる https://t.co/atiGXr5PJY
註釈は、通俗的な大衆紙は言うに及ばず、ミスリードな見出しを掲げた公共放送の投稿にも付けられた。
河野大臣が騒ぎ立てる現行健康保険証によるなりすまし被害は騒ぐほどのものではない可能性が高まっています。厚労省や警察は被害件数を把握しておらず、医療関係者もアナログがゆえの対策を打ち、レアケースだと言うのです。むしろマイナ保険証の一本化で増える懸念が…。https://t.co/zFBxSJU5Ao
— 日刊ゲンダイDIGITAL (@nikkan_gendai) July 18, 2023
マイナンバーカード 本人希望で廃止 4割近くが自主返納 #nhk_news https://t.co/uBDEEuDZTu
— NHKニュース (@nhk_news) July 18, 2023
註釈に異論があるのなら、根拠となる資料を挙げて反論すればいいだけだが、そういう姿勢は文筆家たちには見られない。
なるほど「コミュニティノート」って、「ノートは匿名で付けられる。悪意ある偽ノートを付け、それを複数のユーザーが「評価」すれば偽ノートが表示されてしまう」というものなんだな。全然信用できないってわけだ。なんなら、ニセ情報か言葉遣いの丁寧なクソリプってやつだ。 https://t.co/Q0BUuM4hLr
— 木村知 (@kimuratomo) July 20, 2023
『沖縄タイムス』の阿部岳に至っては、敵対する相手への常套句を吐き捨てるという体たらくである。
私のツイートに付いた「コミュニティーノート」。
— 阿部岳 / ABE Takashi (@ABETakashiOki) July 19, 2023
なんか客観を装っているけど、「あなたの感想ですよね」「問題解決の妨害ですよね」「風評被害ですよね」というただの匿名ネトウヨコメントが公的な装いで表示されていて、まさに今のツイッターを煮詰めた感じの素敵な新機能です。 https://t.co/MNgiPHFaMq
阿部は以前に出演した番組で共演者に講釈を垂れるなと説教していたが、その割には対論能力は恐ろしく貧弱、そのうえ気位だけは相当なものだ。福島の原発処理水に関する流言蜚語が上のような面々から出てきたのは驚くに値しない。こうした者たちが、今までいかに楽をして仕事をしてきたかがわかる。必要な論拠を揃えるのは、放言するのに比べて何百倍も労力を要するからである。
2014年の発表直後に指摘されたSTAP細胞にまつわる研究不正で見たように、疑義に対して根拠に基づいた反論ができなければ、撤回を余儀なくされるのが当然である。それが説明責任(accountability)というものであろう。
しかし、上の法螺吹きといえば、罵詈讒謗を残して逃げ回ってばかり。直接行動しか知らぬ野蛮な連中の所業が白日の下に晒されるのは、喜ばしいことである。
無論、「コミュニティノート」のもたらす効果は未知数である。『ウィキペディア』の記述が完全に正確とはいえないのと同様、「コミュニティノート」自体の信憑性が今後の課題となる。それでも、『ウィキペディア』が一定の信頼性を担保できているのは、論文執筆に倣った検証可能性を実現しているからであろう。全ての言論が批判に晒されることで、ドグマに陥るのを防ぐことが、「開かれた社会」の構築には不可欠である。