学校法人大阪産業大学設置の第三者委員会が「調査報告書」で明らかにした裏金の内訳は以下のごとくである。
目次
A. 模擬試験受験料に係る簿外資金
簿外資金は、(1)生徒側から郵便貯金銀行(ゆうちょ銀行)口座への送金分と、(2)生徒側からの手渡し分に大別される。
(1) 郵便貯金銀行への送金分
・第三者委員会が認定した、口座からの使途不明金
すなわち徴収された受験料の余剰金のうち、不正に流用された可能性のある金額。
中学校 972,494円
高等学校 9,529,808円
計 10,502,302円(a)
・第三者委員会が調査した時点での口座残高
すなわち徴収された受験料の余剰金のうち、(a)を除いた分。なおここには、今後試験実施業者への支払予定額も含まれる。
中学校 48,978,138円
高等学校 71,288,103円
計 120,266,241円(b)
・(b)のうち、保護者会の役員経験者らで構成する親睦団体「七夕会」名義の口座に移転された金額
これが、前学校長・森山信一(報告書内「甲」)とその娘に対する裏報酬と見られる。この金額は、後に元の口座に戻されている。
中学校 36,451,564円
高等学校 27,657,731円
計 64,109,295円
(2) 生徒側からの手渡し分
(1)の郵便貯金銀行口座に入金せず、元進路指導部主事(報告書内「丁」)が管理。
中・高合わせて 21,274,000円(c)
B. 副教材費・実習費に係る簿外資金
副教材費は保護者から(1)郵便貯金銀行のA口座にまず送金され、そこから家庭科実習費分が(2)別の郵便貯金銀行のB口座に送金されていた(A口座・B口座ともに簿外)。なお、A口座は後に(3)学校の購買部を請け負う業者(報告書内「**文具」)に切り替えられた。
(1) A口座における管理分
・第三者委員会が調査した時点での口座残高
中学校 8,088,006円
高等学校 20,651,576円
計 28,739,582円(d)
(2) B口座における管理分
・第三者委員会が調査した時点での口座残高
中・高合わせて 3,808,539円(e)
なお、A及びBの口座からは、毎年残額が全額、学校の事務長(報告書内「乙」)によって引き出されており、99,350,771円がその累計額として確認されている。そこから使用した費用として、事務長が第三者委員会に提出した領収書の合計額は53,561,605円で、その内訳は飲食費、ゴルフ代、タクシー代など多岐にわたる。約100万円の高級バッグなどの費用もここに含まれる。また、外商業者が提示した取引金額は約77,000,000円。よって、A・B両口座から不正に流用された金額は
約120,000,000円(f)
更に、A及びB両口座から引き出されたと見られる現金が学校内の金庫で見つかっており、その総額は
52,060,676円(g)
したがって、(1)及び(2)で第三者委員会が認定した簿外資金の合計額は
(d)+(e)+(f)+(g)=約204,000,000円(h)
(3) 購買部業者における管理分
第三者委員会は、A口座からの余剰金捻出が困難となったために、購買部業者を新たな余剰金捻出の手段として利用したと見ている。
第三者委員会が認定した使途不明金
中・高合わせて 1,163,671円
第三者委員会が調査した時点での口座残高・保有現金の合計
中・高合わせて 約16,000,000円
計 約17,000,000円(i)
C. 各種検定試験受験料に係る簿外資金
英検、漢検、数検などの受験料から控除した事務手数料を簿外で管理し、そこから私的に流用したと見られる。
D. 大阪産業大学附属中・高での各種検定試験受験料に係る簿外資金
上記C同様、控除した事務手数料を簿外で管理し、そこから私的に流用したと見られる。
以上より、第三者委員会が明らかにした裏金の総額は
なお、調査対象となった口座の取引記録は、いずれも郵便貯金銀行における記録保管期間の都合上、2004年以降の分しか確認されていない。
「調査報告書」原文はこちら
- 大阪桐蔭会計処理問題に関わる第三者委員会の「調査報告書」について(学校法人大阪産業大学)(2015年3月25日)(Word Onlineで開きます)
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