今日の死刑論はほとんど的外れだ
死刑の存廃は、刑罰延いては国家の目的にも関わる極めて重要な問題である。にもかかわらず、安易な人権論や応報論ばかりが取り沙汰され、肝心の刑罰の目的についてはすっかり等閑にされてしまっている。アルトゥール・ショーペンハウアーArthur Schopenhauer(1788年―1860年)がそれを主著『意志と表象としての世界』Die Welt als Wille und Vorstellung(1819年)の本編第62節で既に明快に論じているのだが、法学界でも哲学界でも今日あまり顧みられることがないので、ここで紹介しておきたいと思う。
この続きを読むには