利益誘導政治克服のために
日本のデモクラシーは、形式的には安定した制度として機能しているように見える。しかしその内実を検討すると、投票率の長期的低下、無党派層の増大、政治家や政党に対する慢性的な不信といった兆候が顕著であり、デモクラシーの正統性は静かに侵蝕されつつある。現下、議員定数削減や小選挙区制の見直しといった議論が提起されている。だが、これらの改革論は、デモクラシーの危機を「効率性」や「コスト」の問題へと還元し、より根本的な制度的問いを回避しているように思えてならない。
問われるべきは「議員が多すぎるのか」「制度が複雑すぎるのか」ではなく、誰が、どのような仕組みによって政治を代表しているのかという点である。日本政治の問題として、例えば政党と利益団体の結合によって代議制が利害衝突の場へと変質し、利益誘導政治に陥っている点が挙げられる。これは選挙制度の部分的修正で解決し得るものではない。
政党と利益団体──選挙型の構造的制約
日本の代議制を特徴づける重要な要素の一つは、政党と利益団体との結合である。農業団体、業界団体、労働組合、宗教団体などが特定の政党と結びつき、組織票や資金を提供する見返りに政策的配慮を獲得するという構造は、戦後日本政治の基層を形成してきた。
この構造のもとで、国会はしばしば、公共的利益をめぐる熟議の場というよりも、組織化された利害が衝突し、妥協される場として機能する。政策の正当性や長期的妥当性よりも、どの団体の利益がどの程度確保されるかが中心的争点となり、将来世代に関わる問題や分配の公正といった論点は後景に退きやすい。
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